介護施設で働いている、と連絡をくれた元教え子。
詳しく聞くと、国家資格を取ったのだ、と。
「介護福祉士?」「そうです」
「すごいじゃない!」「はい、せっかく日本に戻れたから‥」
その言葉に胸の奥が熱く。
8年前、日本語学校の卒業手前で帰国を余儀なくされ、
もう戻れなくなるかも、と涙で別れたこと、忘れもしません。
自分に出来ること‥
いつかまた会える、そう願う気持ちを綴った手紙を渡すこと‥
それだけでした。
彼女の日本で学びたい意思、志半ばだったこと、未来を、
と当時尽力してくださった方がいました。
その力のおかげで、奇跡的に日本に戻ってこられた、
という経緯があったのです。
そんな彼女から「せっかく日本に戻れたから」と。
そうだったのか‥
今、介護福祉士として、日本のために力を貸してくれている。
あの時、彼女のため、と動いた力が彼女の未来を変え、
一人の介護福祉士を、日本を支える立派な人を育てたのです。
人を思い、人に尽くす。それが誰かに伝わり、またそれが次に‥
語学力だけではなく、そういう気持ちを繋いでいける、
そんな学校でありたい、と改めて感じた出来事でした。