登校の波が収まり、玄関には静けさが戻っていました。
何やら声が聞こえ、午後の学生にしては早いな‥と思っていたところ、
ひょっこり顔を出してくれたのは、この3月に卒業した学生2人でした。
思い出さない日はないくらい、彼らとの時間、その密度は濃いものでした。
顔を見た瞬間、涙が溢れ、うれしさと共に当時の記憶が蘇りました。
仕事の休みがあかなか合わなくて‥
やっと今日、来られました!と。
先生方に、とお菓子まで持ってきてくれました。
それからしばらく、色々な話をしました。
介護という仕事をする中で彼らが感じ、学んだこと。
大変さの中でも笑顔でがんばっていること。
国の家族のために仕送りを増やしたこと。
そのため、自分たちの遊ぶ余裕がないこと。
苦労話として暗い顔で話す人もいるでしょう。
でも、彼らはそれを明るく、笑い話のように話してくれました。
「食事介助5人やって、手が足りないんです!その間に『トイレ』と
言われたり‥」
「え?いらいらしちゃったりしないの?」
「ぜんぜん!」
なんて。
アルバイトとして働いていた頃には見えなかった景色が、今、
見えてきたとも話していました。
先輩がいかに大変だったか、今はわかると。
日本の介護を彼らが支えてくれている。
そんな彼らと関われていることを誇らしく感じました。
「休みの日なんだから、遊びに行けばいいのに」
「いいえ、ずっと来たかったから」
まるで「ただいま」と実家に帰ってきた子どもたちのように
次から次へと話は止まりませんでした。
私たち日本語教師は直接的に介護を支えることはできません。
でも、間接的にでも日本語を教えることで、少しでも介護の手助けになることを願っています。