2025年3月 所沢日本語学校を巣立っていった卒業生たち。
皆、晴れやかな表情で後ろを振り向くことなく、
新たな場所へと進んでいきました。
嬉しいことのはずなのに、送る側からすれば、
少しだけ寂しくも感じていました。
新入生を迎え、その慌ただしさに追われながらも
案じずにはいられませんでした。
「元気にしてますか?」
「はい、先生、慣れてきました。」
「でも…先生…学校にいたときが一番、楽しかった…」
「落ち着いたら会いに行きます。」
「無理しないでね。」
こんなやり取りの数日後、一人の卒業生がひょっこり学校へ。
思わず彼女の元に駆け寄り、どちらからともなく、腕を広げ、
確かめ合うように抱き締め合いました。
「がんばっているね。」「はい。」
顔を見ると、ぽろぽろと泣き出す彼女。
張りつめていた物がプツっと切れたように、みるみる涙がこぼれてきました。
あ、私はここにいてよかった。この子たちが戻ってこられる場所に
いつもいなければ。
国や言葉を超えて、通じ合える心。
日本語学校での関わり、というのは、単に語学を教え、学ぶだけではない、
そう、改めて感じる一日となりました。