03/21/2022

自分にはないもの。



お祝いの言葉。

式では普通、担任からの言葉は入れないものかもしれない。

でも、きっと、二人から学生に対しての「思い」があるはず。

勝手なわがままで式中での言葉をお願いしました。

   

決められた時間でしっかり伝える。決めたらしっかり、

仕上げてくれたAクラスの担任。

  

短いんですが、大丈夫ですか。スピーチが苦手で。

自信なさげに相談をしてきた、Bクラスの担任。

 

私からの注文はただ一つ。

長さや言葉の選択、そういうことが問題ではなく、

「心を込めて思いを伝えてくれれば、一人ひとり違っていい。

あなたらしくやってください。」

それだけでした。

  

担任の二人からのメッセージ。

それは、すらすらというものではなく、涙を抑えるがため、

詰まってしまう言葉を出そうと、一言一言、必死に訴えるものでした。

 

私は、というと、前日の夜、当日の朝も誰もいない会場で一人、

何度も何度も練習をし、自分の「思い」が伝えられるように、

途中で言えなくならないように‥と。

そして、練習通り言葉に詰まることはほぼなく、話すことができました。

  

式終了後、「さすが主任ですね。泣かずに話せて、すごいです。私なんて‥」

 

いえ、違います。

あなたたち二人から私は「自分にないもの」を見せてもらいました。

 

学生の心に響いたのは、きっと、あなたたちの涙、言葉。

完璧ではなかった姿。

そういうものです。

 

忘れずにいたつもりの「初心」。

忘れてしまっていたのかな‥

 

この卒業式を通し、

もう一度、大事なものを思い直す機会をもらうことができました。

 

「初心」忘れずに。

 


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