お祝いの言葉。
式では普通、担任からの言葉は入れないものかもしれない。
でも、きっと、二人から学生に対しての「思い」があるはず。
勝手なわがままで式中での言葉をお願いしました。
決められた時間でしっかり伝える。決めたらしっかり、
仕上げてくれたAクラスの担任。
短いんですが、大丈夫ですか。スピーチが苦手で。
自信なさげに相談をしてきた、Bクラスの担任。
私からの注文はただ一つ。
長さや言葉の選択、そういうことが問題ではなく、
「心を込めて思いを伝えてくれれば、一人ひとり違っていい。
あなたらしくやってください。」
それだけでした。
担任の二人からのメッセージ。
それは、すらすらというものではなく、涙を抑えるがため、
詰まってしまう言葉を出そうと、一言一言、必死に訴えるものでした。
私は、というと、前日の夜、当日の朝も誰もいない会場で一人、
何度も何度も練習をし、自分の「思い」が伝えられるように、
途中で言えなくならないように‥と。
そして、練習通り言葉に詰まることはほぼなく、話すことができました。
式終了後、「さすが主任ですね。泣かずに話せて、すごいです。私なんて‥」
いえ、違います。
あなたたち二人から私は「自分にないもの」を見せてもらいました。
学生の心に響いたのは、きっと、あなたたちの涙、言葉。
完璧ではなかった姿。
そういうものです。
忘れずにいたつもりの「初心」。
忘れてしまっていたのかな‥
この卒業式を通し、
もう一度、大事なものを思い直す機会をもらうことができました。
「初心」忘れずに。