04/24/2025

言葉なくとも‥



2025年3月 所沢日本語学校を巣立っていった卒業生たち。

皆、晴れやかな表情で後ろを振り向くことなく、

新たな場所へと進んでいきました。

嬉しいことのはずなのに、送る側からすれば、

少しだけ寂しくも感じていました。

新入生を迎え、その慌ただしさに追われながらも

案じずにはいられませんでした。

「元気にしてますか?」

「はい、先生、慣れてきました。」

「でも…先生…学校にいたときが一番、楽しかった…」

「落ち着いたら会いに行きます。」

「無理しないでね。」

こんなやり取りの数日後、一人の卒業生がひょっこり学校へ。

思わず彼女の元に駆け寄り、どちらからともなく、腕を広げ、

確かめ合うように抱き締め合いました。

「がんばっているね。」「はい。」

顔を見ると、ぽろぽろと泣き出す彼女。

張りつめていた物がプツっと切れたように、みるみる涙がこぼれてきました。

あ、私はここにいてよかった。この子たちが戻ってこられる場所に

いつもいなければ。

国や言葉を超えて、通じ合える心。

日本語学校での関わり、というのは、単に語学を教え、学ぶだけではない、

そう、改めて感じる一日となりました。


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